「転職先の病院を見学することになったけれど、何を見ればいいのだろう」
「せっかく見学するなら、入職してから後悔しないように確認しておきたい」
理学療法士が転職先を探すとき、職場見学はかなり大切な機会です。
求人票を見れば、給与や休日、勤務時間などの基本的な条件は確認できます。
一方で、
・どの年代のスタッフが働いているのか
・どのような患者さんや疾患が多いのか
・リハビリ室や設備は充実しているのか
・1日の業務量はどのくらいなのか
・残業せずに仕事を終えられるのか
・中途入職者への教育体制はどうなっているのか
・患者さんやスタッフの雰囲気はどうなのか
といったことは、求人票だけでは分かりません。
むしろ、こうした部分の方が、実際に働き始めてからの満足度に大きく関わることもあります。
職場見学というと、
「施設を案内してもらって、最後にいくつか質問する」
というイメージがあるかもしれません。
ただ、せっかく見学するのであれば、設備を見るだけで終わらせるのはもったいないです。
大切なのは、
「何を聞くか」だけではなく、「自分の目で何を見るか」
だと思っています。
例えば、職場の雰囲気が知りたいからといって、
「人間関係はいいですか?」
と聞いても、実際のところはなかなか分かりません。
それよりも、
スタッフ同士がどのように話しているのか。
患者さんにどのように声をかけているのか。
患者さんがどんな表情でリハビリを受けているのか。
こうした部分を見ることで、その職場の雰囲気が少しずつ見えてきます。
この記事では、理学療法士が転職前の職場見学で確認しておきたいポイントについて、
「見ること」と「聞くこと」の両方
から整理していきます。
これから病院やクリニック、施設などの見学を予定している方が、転職後のミスマッチを少しでも減らすための参考になればと思います。
・職場見学で自分の目で確認したいこと
・見学時に聞いておきたい質問例
・求人票だけでは分かりにくいポイント
・転職後のミスマッチを減らす考え方
1. 理学療法士の転職では職場見学をしておきたい
転職先を探すとき、まず確認するのは求人票だと思います。
給与や年間休日、勤務時間、福利厚生など、職場を選ぶうえで条件面はもちろん大切です。
ただ、求人票だけを見て、
「条件が良さそうだから、ここにしよう」
と決めてしまうのは、少し早いと思っています。
なぜなら、実際に働き始めてから気になることの多くは、求人票には書かれていないからです。
例えば、
・スタッフの年代や経験年数
・職場の雰囲気
・患者さんの年齢や疾患
・リハビリ室の広さや設備
・1日の単位数や担当患者数
・カルテや書類業務の量
・実際の退勤時間
・中途入職者への教育方法
などです。
仮に給与や休日が希望通りだったとしても、
「思っていたより業務量が多かった」
「自分が経験したい疾患の患者さんが少なかった」
「中途採用なので、入職後すぐに一人で仕事を任された」
「職場の雰囲気が自分には合わなかった」
ということがあれば、転職後にギャップを感じる可能性があります。
だからこそ、私は職場見学を、
施設を見せてもらうだけの時間ではなく、自分に合う職場かを確認する時間
として考えた方がいいと思っています。
求人票で分かることと、見学しないと分かりにくいことは違う
求人票には、比較しやすい数字が並んでいます。
給与がいくらなのか。
年間休日は何日なのか。
勤務時間は何時から何時なのか。
こうした条件は、複数の求人を比較するときにとても便利です。
一方で、
「その勤務時間の中で本当に仕事が終わっているのか」
までは分かりません。
例えば、勤務時間が17時までだったとしても、
カルテ入力や書類作成が終業後に残っているのであれば、実際の働き方は求人票から受ける印象とは違います。
1日18単位なのか、20単位なのかという数字だけでなく、
その業務量を勤務時間内で終えられる仕組みになっているのか
まで見たいところです。
これは教育体制も同じです。
求人票に、
「教育体制充実」
と書いてあったとしても、
実際に中途で入職した人がどのように仕事を覚えていくのかまでは分かりません。
最初は先輩と一緒に患者さんを担当するのか。
すぐに担当を持つのか。
困ったときに相談する人が決まっているのか。
勉強会や研修費の補助があるのか。
こうしたことは、見学のときに聞いて初めて分かることもあります。
「いい職場か」ではなく「自分に合う職場か」を見る
職場見学で、
「ここはいい病院なのか」
と判断しようとすると、少し難しくなります。
人によって、働きやすいと感じる職場は違うからです。
例えば、
若いスタッフが多く、勉強会や症例検討が頻繁に行われる職場を魅力的に感じる人もいます。
一方で、
ある程度経験を積んだスタッフが多く、落ち着いた環境で働きたい人もいると思います。
患者層についても同じです。
脳血管疾患をもっと経験したい人と、整形外科を中心に経験したい人では、選ぶ職場は変わります。
だからこそ職場見学では、
「一般的にいい職場か」ではなく、「自分が働きたい職場か」
という視点を持っておくことが大切です。
そのためにも、見学へ行く前に、
「自分は転職先に何を求めているのか」
をある程度整理しておくと、見るべきところも変わってきます。
給与を重視するのか。
残業の少なさを重視するのか。
経験したい疾患があるのか。
教育してもらえる環境を求めているのか。
子育てなどとの両立を優先したいのか。
すべてを満たす職場を探すのは難しいかもしれません。
だからこそ、
自分にとって譲れない条件を決めたうえで、職場見学で確かめる。
この順番が、転職後のミスマッチを減らすためには大切だと思います。

職場見学を含めて、転職活動をどのような順番で進めればいいのか迷っている方は、こちらの記事で5つのステップに分けて解説しています。
2. 職場見学では「聞くこと」と「見ること」を分けて考える
職場見学へ行く前に、
「何を質問しよう」
と考える人は多いと思います。
もちろん、質問を準備しておくことは大切です。
ただ、職場見学では、質問して教えてもらうことだけが情報収集ではありません。
私は、
「聞いて確認すること」と「自分の目で見ること」を分けて考える
ことが大切だと思っています。
例えば、職場の雰囲気が気になったとします。
そこで、
「こちらの職場は人間関係がいいですか?」
と質問しても、
「人間関係は悪いですよ」
と答える職場は、ほとんどないと思います。
それよりも、
・スタッフ同士がどのように会話しているか
・若手スタッフが先輩へ質問しやすそうか
・スタッフ同士で挨拶や声かけがあるか
・患者さんへの接し方はどうか
・患者さんがどんな表情でリハビリを受けているか
といった部分を、自分の目で確認した方が参考になることもあります。
一方で、見ているだけでは分からないこともあります。
例えば、
・1日の目標単位数
・主に担当する疾患
・中途入職者の教育方法
・実際の残業時間
・研修費の補助
・有給休暇の取得状況
などです。
こうした内容は、見学中の様子だけで判断するのは難しいため、案内してくれる方へ質問して確認する必要があります。
「制度があるか」より「実際にどう運用されているか」を聞く
質問するときに、もう一つ意識しておきたいことがあります。
それは、
制度の有無だけで終わらせないこと
です。
例えば、
「教育制度はありますか?」
と聞いて、
「あります」
と答えてもらったとしても、それだけでは実際の教育内容までは分かりません。
それよりも、
「中途で入職した場合、最初はどのような流れで患者さんを担当していきますか?」
「分からないことがあった場合は、誰に相談する形になりますか?」
と聞いた方が、入職後の働き方を想像しやすくなります。
残業についても同じです。
「残業はありますか?」
だけではなく、
「カルテや書類を記載する時間は、勤務時間内に確保されていますか?」
「皆さんは普段、何時頃に退勤されることが多いですか?」
と少し具体的に聞くことで、実際の働き方が見えやすくなります。
つまり職場見学では、
「ありますか?」だけではなく、「実際にはどうしていますか?」まで確認する
ことがポイントです。
職場見学は「答え」だけでなく「答え方」も見ておく
質問したときには、回答の内容だけではなく、その答え方も一つの参考になります。
こちらの質問に対して、
具体的に説明してもらえるのか。
実際の働き方を例に挙げて話してもらえるのか。
質問しにくい雰囲気ではないか。
こうした部分からも、その職場について感じ取れることがあります。
もちろん、見学だけで職場のすべてが分かるわけではありません。
短い時間ですし、その日に見えたものだけで判断するのも難しいでしょう。
だからこそ、
求人票で確認する
見学で見る
分からないことは質問する
この3つを組み合わせて、自分に合う職場なのかを考えることが大切です。
次からは、実際の職場見学で何を確認すればいいのかを具体的に見ていきます。
まずは、私自身も気になるポイントの一つである、「働いているスタッフの年代や構成」から確認していきましょう。
3. スタッフの年代・構成を確認する
職場見学で、私が確認しておきたいことの一つが、働いているスタッフの年代や構成です。
給与や休日などの条件が良くても、
「周りがほとんど新人だった」
「逆にベテランばかりで相談しにくかった」
「同じくらいの経験年数のスタッフがほとんどいなかった」
という環境では、人によっては働きにくさを感じるかもしれません。
もちろん、
「若いスタッフが多い職場がいい」
「ベテランが多い職場がいい」
と一概に決められるものではありません。
大切なのは、
自分の経験年数や、これからどのように働きたいかと合っているか
だと思います。
年代だけでなくスタッフ構成も確認する
見学では、平均年齢だけでなく、
といった部分も確認しておくと、その職場のイメージがつかみやすくなります。
例えば、経験の浅い理学療法士で、
「まだ先輩に相談しながら仕事を覚えていきたい」
と考えているのであれば、相談できる中堅・ベテランスタッフがいるかは気になるところです。
反対に、ある程度経験を積んでいて、
「自分と同じくらいの年代や経験年数のスタッフと働きたい」
という人もいると思います。
自分がその職場に入ったとき、
どのような立ち位置になりそうなのか
を考えながら見ておくといいでしょう。
「平均年齢は何歳ですか?」だけでなく聞き方を変えてみる
スタッフの年代は、直接聞いても問題ない内容だと思います。
例えば、
「リハビリスタッフは、どのくらいの年代の方が多いですか?」
と聞けば、ある程度教えてもらえるでしょう。
ただ、もう少し職場の状況を知りたい場合は、質問の角度を変えてみる方法もあります。
例えば、
「中途で入職される方は多いですか?」
「最近入職された方は、どのくらいの経験年数の方が多いですか?」
「新人からベテランまで、どのくらいの年代の方が働いていますか?」
と聞いてみると、年代だけでなく中途採用の状況やスタッフ構成まで知ることができます。
案内してもらいながら実際のスタッフも見る
職場見学では、リハビリ科の責任者などに施設内を案内してもらうことも多いと思います。
そのため、質問するだけでなく、案内してもらっている間に実際のスタッフの様子も見ておきたいところです。
若いスタッフばかりなのか。
幅広い年代のスタッフが働いているのか。
スタッフ同士で自然に相談している様子があるのか。
こうしたことは、その場でしか確認できません。
ただし、短時間の見学だけで、
「若い人ばかりだから離職率が高い」
「ベテランが多いから働きやすい」
などと決めつけるのは避けた方がいいと思います。
見えたことを一つの材料として、
「自分がこのメンバーの中で働く姿を想像できるか」
という視点で見ておくくらいがちょうどいいでしょう。
年代構成は教育体制を考えるヒントにもなる
スタッフ構成は、単に人間関係を見るためだけのものではありません。
特に若手の転職では、教育環境を考えるうえでも参考になります。
経験の浅いスタッフが多い職場であれば、
「指導するスタッフはどのように決まっていますか?」
と確認してみてもいいでしょう。
一方で、中途採用者が多い職場なら、
「中途で入った場合、どのように業務を覚えていくのでしょうか?」
という質問につなげることもできます。
年代構成を確認することで、次に何を質問すればいいのかも見えてきます。
職場見学では、
「何歳の人が多いか」を知るだけではなく、自分がその中で働きやすそうかまで考えてみる。
そこまで確認できると、転職後のイメージもかなり具体的になると思います。
次は、スタッフ構成と同じくらい確認しておきたい、「どのような患者さん・疾患を担当する職場なのか」について見ていきます。
4. どんな患者さん・疾患を担当するのか確認する
職場見学では、どのような患者さんが多いのかも確認しておきたいポイントです。
理学療法士といっても、働く場所によって関わる患者さんはかなり変わります。
例えば、
・高齢者が中心なのか
・比較的若い患者さんも多いのか
・脳血管疾患が多いのか
・整形外科疾患が多いのか
・廃用症候群が多いのか
・術後患者さんが多いのか
・スポーツ疾患を経験できるのか
などです。
自分がこれまで経験してきた分野と近い職場を選びたい人もいれば、
「今まで経験が少なかった疾患をもっと担当したい」
と考えて転職する人もいると思います。
だからこそ、患者層や疾患の傾向は、入職前にある程度確認しておいた方がいいです。
「どんな患者さんが多いですか?」だけでも十分聞ける
患者層については、比較的質問しやすい内容です。
例えば、
「こちらでは、どのような疾患の患者さんを担当することが多いですか?」
「患者さんの年齢層はどのくらいでしょうか?」
と聞けば、施設の特徴を教えてもらえると思います。
もう少し具体的に知りたい場合は、
「脳血管と整形外科では、どちらの患者さんが多いですか?」
「疾患の割合は、だいたいどのような感じでしょうか?」
と聞いてみてもいいでしょう。
患者層は「自分が今後どんな経験を積みたいか」と照らし合わせる
大切なのは、
「この病院はどんな疾患が多いのか」
を知るだけではありません。
その患者層が、自分がこれから積みたい経験と合っているか
まで考えることです。
例えば、
「今後は脳血管疾患の経験をもっと積みたい」
と思っているのに、実際には整形外科疾患が大半を占める職場であれば、自分の希望とは少しずれるかもしれません。
反対に、
「運動器を中心に経験を深めたい」
のであれば、整形外科患者さんが多い職場は魅力的に感じると思います。
転職するときは、給与や休日に目が向きやすいですが、
毎日どんな患者さんを担当するのか
も、働き続けるうえではかなり重要です。
病期や施設の役割も確認しておく
同じ疾患でも、急性期・回復期・生活期では関わり方が変わります。
例えば、脳血管疾患の患者さんが多い職場でも、
急性期であれば早期離床やリスク管理が中心になることがあります。
回復期であれば、ADLの改善や退院支援、家屋環境まで含めて長く関わることが多くなります。
クリニックや外来中心の職場であれば、また違った経験になるでしょう。
そのため、
「疾患」だけでなく、「どの病期の患者さんと関わるのか」
も確認しておくと、入職後のイメージがしやすくなります。
見学中の患者さんの様子も参考にする
患者層については、質問だけでなく、見学中に実際のリハビリ場面を見ることも参考になります。
もちろん、その日たまたま見学した患者さんだけで職場全体を判断することはできません。
それでも、
どのくらいの年齢の患者さんが多いのか。
歩行練習をしている人が多いのか。
ベッド上で介助量の多い患者さんが多いのか。
自主練習をしている人が多いのか。
といったことから、その職場の特徴が少し見えることがあります。
そしてもう一つ、
患者さんがどんな表情でリハビリを受けているのか
も見ておきたいところです。
これは次の章でも触れますが、患者さんの表情やスタッフとの会話から、その職場の雰囲気を感じ取れることもあります。
職場見学では、
「どんな疾患を診る職場なのか」だけでなく、「自分がそこでどんな理学療法士として働くことになるのか」まで想像する。
そこまで考えられると、転職後のミスマッチはかなり減らしやすくなると思います。
次は、実際に働く環境として確認しておきたい、リハビリ室や設備について見ていきます。
5. リハビリ室・設備を確認する
職場見学では、リハビリ室や設備の確認もしておきたいポイントです。
設備がすべてではありませんが、毎日働く場所になるので、
「どのような環境でリハビリを行うのか」
は実際に見ておいた方がいいと思います。
例えば、
・リハビリ室の広さ
・治療ベッドの数
・平行棒や歩行練習スペース
・階段や段差練習の設備
・物理療法機器
・評価機器
・装具や歩行補助具
・パソコンや電子カルテの環境
などです。
ただし、ここで大切なのは、
「設備があるか」だけで判断しないこと
です。
新しい設備がある=働きやすい職場とは限らない
見学すると、どうしても目新しい機器や設備に目がいくと思います。
最新の機器が導入されていると、
「ここは設備が充実しているな」
と感じやすいです。
もちろん、それ自体は魅力の一つです。
ただ、実際に大事なのは、
その設備が日常のリハビリで使われているかどうか
だと思います。
高価な機器が置いてあっても、
ほとんど使われていない。
使えるスタッフが限られている。
予約が取りにくい。
といった状況であれば、実際の臨床では活用しにくいかもしれません。
見学中に気になる設備があれば、
「こちらの機器は、普段どのような患者さんに使うことが多いですか?」
と聞いてみると、実際の運用が分かりやすいです。
リハビリ室の広さだけでなく、動きやすさも見る
リハビリ室を見るときは、単純な広さだけではなく、
実際にスタッフや患者さんが動きやすそうか
も見ておきたいです。
例えば、
歩行練習をするスペースが十分にあるか。
車椅子同士がすれ違えるか。
ベッド周りに余裕があるか。
患者さんが安全に移動できる環境になっているか。
といったところです。
見学中にリハビリをしている様子を見ることができれば、
「この人数でこの広さなら余裕がありそうだな」
「かなり混み合っているな」
といったことも感じ取れると思います。
こうした感覚は、求人票では分かりません。
パソコンやカルテ環境も意外と重要
設備というと、リハビリ機器をイメージしやすいですが、
記録をする環境もかなり大切です。
理学療法士の仕事は、患者さんへのリハビリだけではありません。
カルテ入力や書類作成、カンファレンス資料など、パソコンを使う業務もあります。
そのため、
・スタッフ数に対してパソコン台数は足りているか
・電子カルテはどこで入力するのか
・記録するスペースが確保されているか
・リハビリ室と記録場所が離れすぎていないか
なども確認しておくといいでしょう。
パソコンの台数が少なく、
「空くまで待ってからカルテを書く」
という状況であれば、それだけで業務時間が延びることもあります。
設備を見るときは、
患者さんへのリハビリ環境と、スタッフが仕事を進める環境の両方を見る
という視点を持っておくといいと思います。
自分が使いたい設備があるなら質問してみる
今後経験したい分野が決まっている場合は、それに必要な設備があるか確認してもいいでしょう。
例えば、
歩行分析に興味がある。
装具療法を学びたい。
物理療法を積極的に使いたい。
といった希望があるのであれば、その職場で実際にどのような設備を使っているのか聞いてみると参考になります。
設備は豪華さだけを見るのではなく、
「自分が毎日ここで働くとしたら、使いやすそうか」
という視点で見ることが大切です。
そして、設備とあわせて見ておきたいのが、その場所で実際にリハビリを受けている患者さんの様子です。
6. 患者さんの表情やリハビリ中の雰囲気を見る
職場見学では、スタッフだけでなく、実際にリハビリを受けている患者さんの様子も見ておきたいです。
私が特に気になるのは、
患者さんがどんな表情でリハビリを受けているか
というところです。
もちろん、患者さんの状態や疾患によって表情はさまざまですし、
「笑顔が多い=必ずいい職場」
というわけではありません。
ただ、
スタッフと患者さんの間に自然な会話があるか。
患者さんが安心してリハビリを受けているように見えるか。
スタッフが一方的に指示するだけではなく、患者さんの反応を見ながら関わっているか。
こうした部分は、その職場の雰囲気を知る一つの材料になると思います。
スタッフと患者さんの関わり方を見る
見学中にリハビリ場面を見ることができるのであれば、
・患者さんへの声かけ
・説明の仕方
・患者さんの話を聞いているか
・スタッフの表情
・患者さんの反応
などを見てみてください。
例えば、
患者さんが何か話したときに、スタッフがきちんと反応しているか。
リハビリの内容を説明しながら進めているか。
できたことに対して声をかけているか。
こうした何気ないやり取りから、その職場でどのようなリハビリが行われているのかを感じられることがあります。
反対に、
スタッフが常に忙しそうで、患者さんとの会話がほとんどない。
患者さんへの声かけが少ない。
リハビリ室全体に少し張りつめた雰囲気がある。
と感じることもあるかもしれません。
患者さんの表情は職場の空気を知るヒントになる
理学療法士として働く以上、患者さんと関わる時間は長くなります。
そのため私は、
「スタッフが楽しそうに働いているか」
だけでなく、

「患者さんが安心してリハビリを受けられているか」も大切だと思っています。
患者さんがスタッフと自然に会話していたり、
笑顔が見られたり、
リハビリに前向きに取り組んでいたりすると、
職場全体にも少し柔らかい雰囲気を感じることがあります。
転職先を選ぶときは、給与や休日、業務量などの条件も大切です。
一方で、
「自分もこの雰囲気の中で患者さんと関わりたいと思えるか」
という感覚も、長く働くうえでは意外と重要だと思います。
リハビリ室だけでなく病棟の雰囲気も見る
病院を見学する場合は、可能であればリハビリ室だけでなく、病棟の様子も見ておくと参考になります。
特に急性期や回復期では、理学療法士だけで仕事が完結するわけではありません。
看護師や作業療法士、言語聴覚士、医師、その他の職種と関わりながら仕事を進めていきます。
そのため、
・病棟でスタッフ同士がどのように声をかけているか
・リハスタッフが病棟へ入りやすそうか
・他職種とのやり取りが自然に行われているか
といった部分も見られるといいと思います。
ただ、短時間の見学ですべてを把握することは難しいです。
だからこそ、
「何となく雰囲気が良かった・悪かった」で終わらせず、何を見てそう感じたのかを自分なりに整理しておく
ことが大切です。
例えば、
「患者さんとスタッフの会話が多かった」
「スタッフ同士で自然に相談していた」
「患者さんへの説明が丁寧だった」
と具体的に振り返ることで、他の職場と比較しやすくなります。
職場見学では数字だけでは分からない情報もあります。
患者さんの表情やスタッフとの関わり方は、その職場の日常を知るための一つのヒントです。
自分がそこで働いたときに、
「この雰囲気なら患者さんと関わっていけそうだな」
と思えるかどうかも、ぜひ確認してみてください。
次は、転職後の働きやすさに直結しやすい、1日の単位数・業務量・残業の実態について見ていきます。
7. 1日の単位数・業務量・残業の実態を確認する
職場見学で、特に確認しておきたいのが実際の業務量と残業の有無です。
求人票に、
「残業少なめ」
「時間外勤務あり」
と書かれていても、実際の働き方までは分からないことがあります。
理学療法士の場合、患者さんへのリハビリだけが仕事ではありません。
・カルテ入力
・計画書などの書類作成
・カンファレンス
・家族への説明
・委員会業務
・多職種との情報共有
・翌日の準備
などもあります。
そのため、
「1日何単位を取るのか」だけでなく、その業務量を勤務時間内で終えられるのか
まで確認しておくことが大切です。
単位数だけでは働きやすさは分からない
見学では、
「1日何単位くらいですか?」
と聞いておくと、業務量の目安になります。
ただ、単位数だけを見て、
「少ないから楽そう」
「多いから大変そう」
と判断するのは少し早いと思います。
同じ単位数でも、
カルテを書く時間が勤務時間内に確保されている職場もあれば、
患者さんへのリハビリが終わってからまとめて記録する職場もあります。
また、
カンファレンスや書類業務、委員会活動などが多ければ、患者さんへの介入以外の負担も増えます。
つまり確認したいのは、
単位数そのものよりも、1日の仕事全体がどのように組まれているか
です。
「残業はありますか?」だけではなく普段の退勤時間を聞く
残業については、少し聞きにくいと感じる人もいるかもしれません。
ただ、転職後の生活に直接関わる部分なので、私は確認していいと思います。
そのとき、
「残業は多いですか?」
とだけ聞くより、
「皆さんは普段、何時頃に退勤されることが多いですか?」
と聞く方が、実際の働き方をイメージしやすいです。
例えば、定時が17時なのに、
「だいたい18時半頃ですね」
という回答であれば、
「なぜその時間になるのか」
をもう少し確認した方がいいかもしれません。
カルテなのか。
書類なのか。
患者さんへの対応なのか。
勉強会なのか。
理由によっても受け取り方は変わります。
定時で帰れるかは「1日の流れ」を聞くと分かりやすい
私なら、残業時間だけでなく、
1日の業務の流れ
も聞いておきたいです。
例えば、
「朝は何時頃から患者さんへの介入が始まりますか?」
「最終のリハビリは何時頃までですか?」
「その後に記録する時間はありますか?」
と聞いていくと、
1日のスケジュールがかなりイメージしやすくなります。
「17時が定時です」
という情報だけでは分からなくても、
最終のリハビリが16時40分まであり、そこから記録をするのであれば、
実際に17時に帰れるのかどうかは想像しやすくなります。
見学中のスタッフの様子も参考にする
業務量については、質問だけでなく、見学中のスタッフの様子も参考になります。
例えば、
スタッフが常に走り回っていないか。
カルテを書く場所に人が集中していないか。
昼休みの時間帯にも多くのスタッフが記録をしていないか。
スタッフ同士で業務を調整している様子があるか。
などです。
もちろん、見学した日がたまたま忙しい日だった可能性もあります。
そのため、
「忙しそうだったから、この職場は大変だ」
と決めつける必要はありません。
ただ、
質問した内容と、実際に見た様子が一致しているか
は一つの判断材料になります。
自分が許容できる働き方かを考える
残業がある職場が悪いわけではありません。
人によって優先したいことは違います。
多少残業があっても、
「経験したい疾患が多い」
「教育体制が充実している」
という点を優先したい人もいるでしょう。
一方で、
子育てや家庭との両立を考えると、
「できるだけ定時で帰りたい」
という人もいます。
だからこそ、職場見学で大切なのは、
「残業があるかないか」だけではなく、自分がその働き方を続けられるか
を考えることです。
私自身も転職を経験し、年収だけでなく働き方や職場環境が大きく変わりました。実際に転職して感じたことはこちらの記事にまとめています。
1日の単位数。
患者さんの人数。
記録時間。
書類業務。
カンファレンス。
そして普段の退勤時間。
ここまで確認できると、
「実際にこの職場へ転職したら、どのような1日になるのか」
がかなり具体的に見えてきます。
次は、特に若手の理学療法士が転職するときに確認しておきたい、中途入職者への教育体制について見ていきます。
8. 中途入職者への教育体制を確認する
特に経験の浅い理学療法士が転職する場合、中途入職者への教育体制は確認しておきたいポイントです。
新卒であれば、ある程度まとまった新人教育が用意されている職場もあります。
一方で、中途採用の場合は、
「経験者だから、ある程度できる前提で進む」
という職場もあります。
そのため、
中途で入った人が、どのような流れで仕事を覚えていくのか
は、見学の段階で確認しておいた方が安心です。
「教育制度はありますか?」だけでは少し足りない
見学で、
「教育制度はありますか?」
と聞くこと自体は問題ありません。
ただ、それだけだと、
「あります」
で終わってしまうことがあります。
それよりも、
「中途で入職した場合、最初はどのような流れで業務を覚えていきますか?」
「患者さんの担当は、入職してどのくらいから始まりますか?」
「最初に相談する方は決まっていますか?」
と聞いた方が、実際の教育体制が見えやすくなります。
確認したいのは、
制度の名前ではなく、入職後の自分がどう働き始めるのか
です。
若手なら「どんなサポートが必要か」を伝えてもいい
経験年数が浅い人ほど、
「こんなことを聞いたら、できない人だと思われないかな」
と不安になるかもしれません。
ただ、転職先で安心して働くためには、自分が不安に感じていることをある程度伝えておくのも大切だと思います。
例えば、
「まだ経験が浅いため、最初は確認しながら業務の流れを覚えていきたいと考えています」
「○○の領域は経験が少ないため、最初は相談しながら進めたいです」
と伝えることは、悪いことではありません。
むしろ、
どの程度のサポートが必要なのかを事前に共有しておく
ことで、入職後のミスマッチを減らしやすくなります。
見学の段階で、
「分からないことがあれば聞ける環境なのか」
を確認しておくことも大切です。
中途採用だからこそ「何を任されるか」を確認する
中途入職の場合、職場によって求められる役割はかなり違います。
例えば、
経験年数が数年あるというだけで、入職後すぐに多くの患者さんを担当する職場もあるかもしれません。
反対に、
経験年数に関係なく、最初は少しずつ担当を増やしていく職場もあります。
また、
患者さんへのリハビリだけではなく、
・委員会
・係活動
・学生指導
・新人教育
・病棟業務
などを比較的早い段階から任されることもあります。
そのため、
「中途で入った場合、臨床以外ではどのような役割を担当することが多いですか?」
と聞いてみるのもいいと思います。
「入職したら何を求められるのか」まで確認しておく
ことで、転職後の負担感もイメージしやすくなります。
教育体制を見るときは「相談しやすさ」も大切
どれだけ立派な教育制度があっても、
実際には忙しくて質問できない。
相談相手が決まっていない。
先輩へ声をかけにくい。
という環境では、経験の浅い人ほど不安を感じやすいと思います。
そのため、見学中は、
・若手スタッフが先輩へ質問しているか
・スタッフ同士で患者さんについて話しているか
・責任者へ相談しやすそうな雰囲気があるか
といった部分も見ておくと参考になります。
ここでも、
「教育制度があるか」だけでなく、「実際に相談できる環境か」まで見る
という考え方が大切です。
自分がどこまで教えてほしいのかも整理しておく
教育体制について確認する前に、
「自分は何を不安に感じているのか」
も整理しておくと質問しやすくなります。
例えば、
臨床経験そのものに不安があるのか。
電子カルテなどの業務を覚えられるか不安なのか。
初めて経験する疾患が多いのか。
書類や退院支援など、その施設特有の業務に不安があるのか。
人によって必要なサポートは違います。
だからこそ、
「教育体制が充実している職場」を探すというより、自分が必要としている教育を受けられる職場か確認する
という視点の方が大切だと思います。
若手であれば、手厚く教えてもらえる環境を選ぶ。
ある程度経験があるなら、自分の弱い分野について相談できる環境を選ぶ。
転職後に安心して働くためにも、見学の段階で確認しておきたいところです。
そして教育体制とあわせて確認しておきたいのが、外部研修や学会参加に対する支援です。
次は、研修費や資格取得支援について見ていきます。
9. 研修費・学会参加・資格取得支援も確認する
教育体制とあわせて確認しておきたいのが、院外研修や学会参加に対する支援です。
理学療法士として働いていると、
・外部研修
・学会参加
・資格取得
・書籍購入
・オンライン研修
など、仕事以外でも学ぶ機会があります。
ただ、こうした自己研鑽にかかる費用をどこまで職場が支援してくれるかは、施設によって違います。
そのため、勉強を続けたい人ほど、入職前に確認しておいてもいいと思います。
「研修費は出ますか?」だけでなく補助の条件まで確認する
見学では、
「研修費の補助はありますか?」
と聞いて問題ありません。
ただ、補助制度がある場合でも、
・年間の上限額
・対象となる研修
・事前申請が必要か
・交通費や宿泊費も対象なのか
・学会参加は出張扱いになるのか
・資格取得費用も補助されるのか
など、条件が決められている場合があります。
そのため、
「補助制度があるか」だけでなく、「どのような条件で使えるのか」
まで確認できると分かりやすいです。
若手ほど研修環境は確認しておいてもいい
経験が浅いうちは、
「もっと勉強したい」
「臨床に自信をつけたい」
と思う人も多いと思います。
その場合、院内教育だけでなく、外部研修へ参加しやすい環境かどうかも職場選びの一つのポイントになります。
例えば、
研修へ行きたいと思っても、
休日を使わないと参加できない。
費用はすべて自己負担。
人手不足で休みを取りにくい。
という状況であれば、継続して学ぶのが難しくなることもあります。
反対に、
研修費の補助がある。
学会参加に理解がある。
勤務調整を相談できる。
といった職場であれば、学びを続けやすいかもしれません。
ただし、
研修費が出る職場=必ず良い職場
というわけではありません。
給与や休日、業務量、教育体制なども含めて、自分が何を重視するのかで判断する必要があります。
院内の勉強会についても確認しておく
外部研修だけでなく、院内でどのような学習機会があるのかも確認してみてもいいでしょう。
例えば、
・症例検討会
・院内勉強会
・新人教育
・多職種での勉強会
・外部講師を招いた研修
などです。
ただ、ここでも注意したいのは、
勉強会が多ければいいとは限らない
ということです。
人によっては、
「勉強会が多い職場で成長したい」
と感じる一方で、
「勤務時間外の勉強会が頻繁にある職場は避けたい」
と考える人もいると思います。
そのため、
「院内勉強会はありますか?」
だけでなく、
「どのくらいの頻度で行われていますか?」
「勤務時間内に行われることが多いですか?」
と確認しておくと、実際の負担もイメージしやすくなります。
自分がどこまで学習環境を求めるのかを考える
研修や資格取得への支援をどこまで重視するかは、人によって違います。
今は臨床経験を積むことを最優先したい人。
認定・専門分野を目指したい人。
子育てや家庭との両立を優先して、勤務時間外の勉強会は少ない方がいい人。
それぞれ選ぶ職場は変わります。
大切なのは、
「教育熱心な職場か」ではなく、自分が無理なく学び続けられる環境か
という視点です。
研修費の補助。
院内勉強会。
学会参加。
資格取得支援。
こうした制度も、自分の今後の働き方やキャリアと照らし合わせて確認しておくといいと思います。
次は、残業や人間関係など、少し聞きにくい内容を職場見学でどう質問するかについて整理していきます。
10. 聞きにくいことは質問の角度を変えて確認する
職場見学では、確認しておきたいけれど少し聞きにくい内容もあります。
例えば、
・人間関係
・残業
・離職率
・有給休暇
・忙しさ
・中途入職者へのフォロー
などです。
どれも転職後の働きやすさに関わる大切な情報ですが、聞き方によっては少し直接的に感じられることもあります。
そんなときは、
聞きたい内容そのものをぶつけるのではなく、少し質問の角度を変える
と聞きやすくなります。
「人間関係はいいですか?」では実態が分かりにくい
例えば、
「人間関係はいいですか?」
と聞いても、
「悪いです」
と答える職場はほとんどないと思います。
そのため、人間関係を知りたい場合は、
「中途で入職された方は多いですか?」
「スタッフ同士で症例について相談する機会はありますか?」
「困ったときは、どなたに相談することが多いですか?」
と聞いてみる方法があります。
こうした質問から、
スタッフ同士の関わり方や、相談しやすい環境なのかを知るヒントが得られます。
そして、人間関係については質問だけでなく、
見学中のスタッフ同士のやり取りを見ること
も大切です。
会話が自然にあるか。
先輩と後輩の距離感はどうか。
質問しやすそうな雰囲気があるか。
こうした部分も参考になります。
有給休暇も「取れますか?」だけで終わらせない
有給休暇についても、
「有給は取れますか?」
と聞けば、
「取れます」
と答えてもらえることが多いと思います。
ただ、実際に知りたいのは、
希望した日に休みを取りやすいか
という部分ではないでしょうか。
例えば、
「有給休暇は、どのように希望を出す形ですか?」
「スタッフの皆さんは、どのくらい前に休みの希望を出していますか?」
「連休を取ることも可能でしょうか?」
と聞くと、実際の運用が少し分かりやすくなります。
離職率が気になるなら中途入職者や勤続年数を聞く
離職率も気になるところだと思います。
ただ、
「離職率は高いですか?」
という聞き方は少し答えにくいかもしれません。
そんなときは、
「長く働いている方は多いですか?」
「中途で入職された方はどのくらいいらっしゃいますか?」
「最近入職された方は多いですか?」
といった聞き方でも、職場の状況を知るヒントになります。
もちろん、これだけで離職率を正確に判断することはできません。
ただ、
質問への答えと、実際に働いているスタッフの年代や構成を合わせて見る
ことで、少しずつ職場の特徴が見えてきます。
聞きにくい質問ほど「実際どうですか?」に変える
職場見学で聞きにくい内容ほど、
「問題ありませんか?」
と聞くよりも、
「実際にはどのようにしていますか?」
という聞き方に変えると、職場の実態を確認しやすくなります。
例えば、次のように質問を言い換えることができます。
「人間関係はいいですか?」
↓
「スタッフ同士で症例について相談する機会はありますか?」
「残業は多いですか?」
↓
「皆さんは普段、何時頃に退勤されることが多いですか?」
「有給は取りやすいですか?」
↓
「休みの希望はどのように出す形ですか?」
「教育はしっかりしていますか?」
↓
「中途で入職した場合、最初はどのように仕事を覚えていきますか?」
「忙しいですか?」
↓
「1日の単位数や患者さんの担当人数はどのくらいですか?」
聞きたいことを直接ぶつけるのではなく、普段の働き方を具体的に聞く。
これだけでも、職場の実態をかなりイメージしやすくなります。
質問しにくい雰囲気そのものも一つの情報
もう一つ大切なのは、
こちらが質問したときに、どのような反応をされるかです。
もちろん、何でも答えてもらえるわけではありません。
ただ、
残業について聞いた途端に話をそらされる。
教育について具体的に聞いても説明がほとんどない。
質問すること自体を嫌がられているように感じる。
といった場合には、それも一つの情報になります。
反対に、
「うちはこの部分は少し大変です」
「中途の方には最初ここで苦労することがあります」
と、良いところだけでなく課題も説明してもらえると、個人的には職場のイメージを持ちやすいと思います。
職場見学は、
自分が職場を確認する場であると同時に、自分も職場から見られている場
でもあります。
だからこそ、何でも遠慮なく聞けばいいわけではありませんが、転職後に後悔しないために必要なことは、聞き方を工夫しながら確認しておくことが大切です。
次は、見学する側として気をつけておきたい、「職場見学では自分も見られている」という点について整理していきます。
11. 職場見学では自分も見られている
職場見学は面接とは別に行われる場合もありますが、見学中の受け答えや態度が職場側の印象に残ることはあります。
ただ、
「どんな人なのか」
「職場に合いそうか」
「一緒に働くイメージを持てるか」
といった印象を持たれる場にはなります。
そのため、質問する内容だけでなく、見学中の態度や受け答えも大切です。
挨拶や受け答えは基本だけど大事
まず意識したいのは、
・挨拶
・返事
・案内してもらったときのお礼
・質問するときの言葉遣い
・スタッフや患者さんへの配慮
といった基本的な部分です。
特別なことをする必要はありません。
ただ、見学先では自分の職場ではないからこそ、普段以上に丁寧にしておいた方が安心です。
例えば、
案内してくれた人にだけ挨拶して、周囲のスタッフには何も言わない。
患者さんの近くで大きな声で話す。
見学中にスマートフォンばかり触っている。
といった行動は、あまり良い印象にはならないと思います。
見学中は、
「自分も一人の医療職として見られている」
という意識を持っておくといいでしょう。
質問は「条件確認」だけにならないようにする
給与や休日、残業について確認することは大切です。
ただ、質問がそれだけになると、
「条件面だけで職場を見ているのかな」
という印象になる可能性もあります。
そのため、
「どのような患者さんが多いですか?」
「中途入職者はどのように業務を覚えていきますか?」
「スタッフ同士で症例について相談する機会はありますか?」
など、
実際に働くことをイメージした質問も混ぜておくと自然です。
条件面を聞くこと自体が悪いのではなく、
「ここで働くことを想像しながら質問している」
ことが伝わる方がいいと思います。
分からないことは素直に聞いていい
見学で、
「こんなことを聞いたら経験が浅いと思われるかな」
と心配する人もいるかもしれません。
ただ、分からないことを分かったふりをする必要はありません。
特に若手であれば、
「この領域は経験が少ないのですが、入職後に相談できる環境はありますか?」
と聞くこともできます。
自分の経験を大きく見せるより、
分からないことは確認しながら働きたいという姿勢
の方が、働き始めてからのミスマッチも減らしやすいと思います。
メモを取るのも一つの方法
見学では、短い時間の中で多くの説明を聞くことになります。
そのため、必要に応じてメモを取っておくのもいいと思います。
特に複数の職場を見学する場合は、
「どの職場で何を聞いたのか」
が分からなくなりやすいです。
例えば、
・スタッフ構成
・患者層
・1日の単位数
・退勤時間
・教育体制
・研修費
・気になったこと
などを簡単に残しておくと、後から比較しやすくなります。
ただし、見学中ずっと下を向いてメモを取る必要はありません。
説明を聞きながら、必要なところだけ残すくらいで十分です。
「選んでもらう場」だけではない
転職活動をしていると、
「採用してもらえるだろうか」
と考えてしまいがちです。
もちろん、相手から見られている意識は必要です。
一方で、職場見学は、
自分もその職場を選ぶための時間
でもあります。
だから、
相手に良く見られることだけを考えて、
本当に確認したいことを何も聞けなかった。
という状態にはしたくありません。
丁寧な態度を保ちながら、
自分が働くうえで大切なことは確認する。
そのバランスが大切だと思います。
職場見学では、
「見られているから遠慮する」のではなく、「お互いに合うか確認する時間」
と考えるくらいがちょうどいいです。
次は、ここまでの内容を実際に使いやすいように、職場見学チェックリストとしてまとめていきます。
12. 理学療法士の職場見学チェックリスト
ここまで紹介してきた内容を、実際の職場見学で使いやすいようにチェックリストとしてまとめます。
すべてを確認する必要はありません。
自分が転職で重視したいことを決めて、優先順位の高い項目から確認するのがおすすめです。
スタッフについて
□ PT・OT・STはそれぞれ何人いるか
□ スタッフの年代は偏っていないか
□ 新人・中堅・ベテランの割合はどうか
□ 中途入職者はいるか
□ 自分と近い経験年数のスタッフはいるか
□ スタッフ同士で相談している様子があるか
年代だけでなく、「自分がこの中で働く姿を想像できるか」まで考えてみてください。
患者さん・疾患について
□ 患者さんの年齢層
□ 主に担当する疾患
□ 脳血管・運動器・廃用などの割合
□ 急性期・回復期・生活期など、どの病期が中心か
□ 自分が経験したい疾患を担当できそうか
□ 入職後、どのような患者さんを担当することが多いか
患者層や疾患が、自分がこれから積みたい経験と合っているかも確認しておきましょう。
リハビリ室・設備について
□ リハビリ室の広さ
□ 歩行練習を行うスペース
□ 治療ベッドや平行棒などの設備
□ 評価機器・物理療法機器
□ 装具や歩行補助具
□ 設備が実際に使われているか
□ 電子カルテやパソコンの台数
□ 記録を行うスペースがあるか
設備の新しさだけでなく、普段の臨床で実際に使いやすい環境かを見るのがポイントです。
患者さん・職場の雰囲気について
□ 患者さんへの声かけは丁寧か
□ 患者さんが安心してリハビリを受けているように見えるか
□ 患者さんとスタッフの会話があるか
□ スタッフ同士の会話や相談があるか
□ 若手が先輩へ質問しやすそうか
□ 病棟や他職種とのやり取りはどうか
□ 自分がその雰囲気の中で働きたいと思えるか
私は特に、患者さんがどんな表情でリハビリを受けているかも見ておきたいと思っています。ただし、一度の見学だけで人間関係や職場環境を決めつけないようにしましょう。
業務量・残業について
□ 1日の目標単位数
□ 1日に担当する患者さんの人数
□ カルテを書く時間が勤務時間内にあるか
□ 書類業務の量
□ カンファレンスの頻度
□ 委員会や係活動の有無
□ 普段の退勤時間
□ どのような業務で残業になることが多いか
□ 勤務時間内で業務を終えられそうか
「何単位取るか」だけでなく、その仕事を勤務時間内に終えられるのかまで確認してみてください。
教育体制について
□ 中途入職後の業務の覚え方
□ 患者さんの担当を開始する時期
□ 相談する先輩や担当者が決まっているか
□ 症例について相談できる環境があるか
□ 中途入職者向けのオリエンテーションがあるか
□ 経験の少ない分野を教えてもらえるか
□ 自分が必要としているサポートを受けられそうか
特に経験が浅い人は、「教育制度があるか」だけでなく、入職後にどのように仕事を覚えていくのかまで確認しておくと安心です。
研修・自己研鑽について
□ 院内勉強会の有無
□ 勉強会の頻度
□ 勤務時間内か勤務時間外か
□ 参加は必須か
□ 外部研修への費用補助
□ 学会参加への支援
□ 資格取得に対する支援
□ 研修へ参加するときの勤務調整
研修制度の充実度だけでなく、自分が無理なく学び続けられる環境かを基準に考えてみてください。
休日・働き方について
□ 年間休日
□ 休日の取り方
□ 有給休暇の申請方法
□ 希望休を出せるか
□ 連休を取ることができるか
□ 土日祝日の勤務
□ シフトの決まり方
□ 家庭や子育てと両立できそうか
求人票の休日数だけでなく、実際にどのように休みを取っているのかまで確認できると安心です。
見学後に最後に考えたいこと
見学が終わったら、
「設備がきれいだった」
「案内してくれた人が優しかった」
だけで決めず、一度振り返ってみてください。
例えば、
□ 自分が働いている姿を想像できたか
□ 気になったことを質問できたか
□ 求人票と見学で受けた印象に大きな違いはなかったか
□ 自分が重視している条件を満たしていたか
□ 気になる点や違和感はなかったか
□ 他の職場と比較してから決めたい部分はないか
そして最後に、
「ここで働きたいと思えたか」
を考えてみてください。
条件がすべて完璧な職場は、なかなかないと思います。
だからこそ、
給与。
休日。
患者層。
業務量。
教育体制。
職場の雰囲気。
それぞれを確認したうえで、
自分にとって何が譲れない条件なのか
を基準に判断することが大切です。
このチェックリストをすべて埋めることが目的ではありません。
職場見学の目的は、
転職後に「こんなはずじゃなかった」と感じる可能性を少しでも減らすこと
です。
見学前に気になる項目をいくつか選び、スマートフォンやメモ帳に残しておくだけでも、当日に確認しやすくなると思います。
職場見学は大切ですが、短い見学時間だけで職場のすべてを確認するのは難しいと思います。
「見学へ行く前に、もう少し職場の情報を集めておきたい」
「複数の求人を比較してから見学先を決めたい」
という方は、理学療法士向けの転職エージェントを利用して情報を集める方法もあります。
レバウェルリハビリは、PT・OT・STを対象とした無料の転職エージェントです。
職場の雰囲気や人間関係など、求人票だけでは分かりにくい情報について相談できるのも特徴です。
見学前に複数の求人を比較しておきたい方は、転職先を探す方法の一つとしてチェックしてみてください。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の求人・転職はレバウェルリハビリまとめ|職場見学は「自分が働く姿を想像できるか」が大切
理学療法士の転職では、求人票だけでは分からないことがたくさんあります。
給与や休日、勤務時間などの条件は確認できても、
・スタッフの年代や構成
・患者さんの年齢や疾患
・リハビリ室や設備
・実際の業務量
・残業の有無
・中途入職者への教育体制
・患者さんやスタッフの雰囲気
といった部分は、実際に職場を見たり質問したりしなければ分かりにくいです。
だからこそ職場見学では、
「何を聞くか」だけでなく、「自分の目で何を見るか」
も意識してみてください。
例えば、
「人間関係はいいですか?」
と聞くよりも、スタッフ同士が自然に相談しているかを見る。
「残業はありますか?」
と聞くだけでなく、普段の退勤時間やカルテを書く時間について確認する。
「教育制度はありますか?」
と聞くのではなく、中途で入職した場合にどのような流れで仕事を覚えていくのかまで聞く。
このように、少し質問の仕方を変えるだけでも、実際の働き方はかなりイメージしやすくなります。
また、私ならスタッフだけではなく、
患者さんがどんな表情でリハビリを受けているか
も見ておきたいです。
患者さんとの会話やスタッフの声かけ、リハビリ室全体の雰囲気など、数字では分からない部分にもその職場らしさが出ることがあります。
ただし、一度の見学ですべてを判断する必要はありません。
たまたま忙しい時間帯だった可能性もありますし、短時間では分からないこともあります。
大切なのは、見学で得た情報を、
「自分が転職先に求めているものと合っているか」
という視点で整理することです。
若いうちは教育体制を重視したい。
家庭があるなら、残業や休日を優先したい。
特定の疾患を経験したい。
研修や資格取得を続けたい。
人によって、転職先に求めるものは違います。
だからこそ、
「一般的にいい職場か」ではなく、「自分に合う職場か」
を考えることが大切です。
職場見学が終わったら、
「ここで働いている自分を想像できたか」
を一度考えてみてください。
そこで違和感があれば、他の職場を見て比較するのも一つの方法です。
逆に、
「ここなら働いてみたい」
と思えるのであれば、その感覚も大切にしていいと思います。
転職は、職場を変えることが目的ではありません。
自分がこれからどのように働きたいのかを考え、その働き方に近づける環境を選ぶこと
が大切です。
職場見学は、そのための大事な判断材料の一つになります。
理学療法士の転職について、転職活動の進め方や年収、転職サイトの選び方までまとめた記事はこちらです。




コメント