理学療法士の役職者は大変?主任として感じた仕事・手当・負担の実際

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理学療法士の役職者が、臨床・教育研修・管理業務・他部署との調整を担い、仕事の負担について考えているイラスト

「役職に就くと、仕事と責任ばかり増えるのでは?」
「手当は付いても、負担に見合うのだろうか」

昇進の話が出たとき、こうした不安を感じる方もいると思います。

私は回復期に所属する理学療法士として、主任を務めています。患者さんへのリハビリに加え、新人教育や院内研修、患者データの管理、他部署との調整なども担当しています。

私の勤務先の主任手当は月約1万5,000円。年間では約18万円です。責任はありますが、今の職場では業務時間内に管理業務を進められるよう調整できるため、私自身は過度な負担とは感じていません。

この経験から、役職者としての働きやすさは、手当の金額だけでなく、仕事を支える職場の体制にも左右されると感じています。

この記事では、主任として担当している仕事と、臨床・管理業務を両立する工夫、役職手当への考え方を紹介します。職場や役職によって条件は異なりますが、これから役職を引き受けるか迷っている方や、今の働き方を見直したい方の参考になれば幸いです。

理学療法士の役職者はどんな仕事をする?私が主任として担当している業務

役職者の仕事内容は、職場や役職によって異なります。ここでは、回復期に所属する私が、主任として実際に担当している仕事を紹介します。

新人教育・院内研修とリハビリ部門の管理業務

主任として担当している仕事の一つが、部署内の教育です。新人教育や院内研修など、自分が臨床を行うだけでなく、ほかの職員が学ぶ機会にも関わっています。

教える側としての責任があるため、自分の仕事だけを考えていればよいわけではありません。この点は、役職を持つことの重みだと感じています。

ほかにも、リハビリに関する管理業務や、委員会関係の事務的な仕事があります。患者さんへの対応以外にも、時間を確保して進める必要のある仕事を担っています。

回復期の患者データ管理と他部署との退院調整

回復期に所属する私の場合、入院患者さんのデータ管理も担当業務に含まれます。

また、他部署と情報を共有し、退院時期の調整について検討することもあります。自分の担当患者さんへの対応に加えて、部署をまたいだやり取りが必要になる仕事です。

自分一人の判断や予定だけでは進められないため、周囲とのコミュニケーションが欠かせません。こうした調整も、主任として担っている役割の一つです。

役職者になっても患者さんへの臨床業務は続く

私の職場では、主任になっても患者さんへのリハビリを担当します。管理業務だけに専念する働き方ではありません。

取得単位数についても、役職のない職員とある程度同じ水準を求められます。そのため、臨床業務を行いながら、教育や管理業務を進める時間も確保する必要があります。

こうして仕事内容を並べると、「臨床に仕事が上乗せされて大変そう」と感じるかもしれません。

ただ、私自身は、今の職場でこれらを過度な負担とは感じていません。大きいのは、管理業務を勤務時間内に進められるよう、業務を調整してもらえることです。

主任の仕事を過度な負担と感じていない理由

教育する側の責任や、他部署との調整の難しさはあります。それでも私が過度な負担と感じていないのは、役職者の仕事を進めるための時間と協力が得られるからです。

管理業務の時間を勤務時間内に確保できる

今の職場では、教育や管理業務も勤務時間内に進められるよう、業務を調整できる体制があります。

私にとって、この点は大きな違いです。前職ではスケジュールが厳しく、予定を組み直すこと自体にも手間がかかっていました。

現在は、必要な仕事を勤務時間内に進められるため、管理業務があることそのものを強い負担とは感じていません。

同じ仕事を任されても、取り組む時間を確保できるかどうかで、大変さは変わると感じています。

急ぎの仕事は患者さんの担当を調整してもらえる

例えば、急ぎの事務作業が入ったときには、担当患者さんのリハビリをほかの職員に振り分けてもらい、作業時間を確保することがあります。

こうした調整ができる背景には、部署全体で病院の単位目標を達成しようとする動きがあります。日々の実績を積み重ね、目標に対して余裕を持たせることが、管理業務に時間を充てる際の調整にもつながっています。

もちろん、私自身も取得単位数を目標に近づける必要があります。周囲の協力を受けながら、臨床と管理業務の両方を進めています。

役職者の仕事を一人で抱え込まずに済むことは、今の職場の働きやすさだと感じています。

時間外の業務も残業として扱われる

勤務時間内に進められる体制があっても、残業がまったくないわけではありません。

ただ、私の職場では、教育や管理業務などで時間外の勤務が必要になった場合も、残業として扱われ、残業代が支払われます。この点も、納得して仕事に取り組める理由です。

仕事の負担の感じ方には、個人差があると思います。私が今の業務を過度な負担と感じていないのも、前職での経験や、現在の職場環境があってこそです。

だからこそ、役職の大変さを考えるときには、仕事内容とあわせて、それを勤務時間の中でどう進められるのかを見ておきたいと思います。

調査でも、管理者が臨床を担う実態が見られる

新潟県理学療法士会が2017年に実施した管理者向けアンケートでは、管理業務と臨床業務の割合は「2対8」という回答が最も多くなっていました。一方で、管理者になって仕事量やストレスが増えたという回答もあります。

地域と時期が限られた調査ですが、臨床を担いながら管理業務を進める働き方は、私自身にも重なる部分があります。

ただし、この割合だけで負担の軽さは判断できません。私が働きやすいと感じるのは、必要な管理業務に合わせて、臨床の担当を調整してもらえるからです。

参考:新潟県理学療法士会「管理者向けアンケート報告」(2017年)、Q19・Q25

臨床と役職者の仕事を両立するために意識していること

業務を調整してもらえる環境があっても、周囲の協力を当然とは考えないようにしています。私が意識しているのは、自分の臨床目標に向き合うことと、役職者として何をしているのかを伝えることです。

自分の臨床目標と部署全体の業務を両方意識する

管理業務のために時間を確保してもらう一方で、私自身も取得単位数を目標に近づける必要があります。

患者さんの対応を代わってもらえば、その分をほかの職員が担うことになります。だからこそ、自分も臨床を担う一人だという意識は持っていたいと思っています。

同時に、自分の単位数だけを優先して、必要な教育や管理業務を後回しにし続けるわけにもいきません。

臨床と管理業務のどちらも部署に必要な仕事です。自分の目標と部署全体の仕事を両方見ながら、必要なときには協力を得る。そのバランスが大切だと感じています。

何の仕事をしているのか周囲に伝える

私が特に意識しているのは、管理業務の内容を周囲に伝えることです。

患者さんへのリハビリと比べると、パソコンに向かって行う管理業務は、外から仕事内容が分かりにくいと思います。何をしているのかが見えなければ、担当の調整が必要な理由も伝わりにくくなります。

そのため、教育やデータ管理、他部署との調整など、今どのような仕事をしているのかを、できるだけ周囲に示すようにしています。

主任として任されている仕事と、そのために時間が必要なことを伝えるのは、協力をお願いするうえで大切だと考えています。

今のところ、こうした調整について不満を直接聞くことは多くありません。ただ、私に聞こえていないだけかもしれず、全員が納得しているとは言い切れません。

仕事を伝えれば必ず理解してもらえるとは限りませんが、少なくとも、何をしているか分からない状態にはしない。この姿勢は、今後も大切にしたいと思っています。

役職手当は負担に見合う?私の場合は月約1万5,000円

私の勤務先では、給与規定に基づき、主任の役職手当として月約1万5,000円が支給されます。12か月分で、年間約18万円です。これは私の職場での支給例であり、理学療法士の主任手当の平均額ではありません。

この金額が仕事や責任に見合うかどうかは、担当業務や、それを支える体制によっても受け止め方が変わると思います。私自身は、現在の負担であれば、収入を増やせる貴重な機会だと捉えています。

私には収入を増やせる貴重な機会だった

月1万5,000円と聞くと、「責任が増える割に少ない」と感じる方もいると思います。一方で、年間18万円の収入増は、私にとって軽く見られる金額ではありません。

そう思えるのは、今の職場では管理業務の時間を調整でき、時間外に働いた分も残業として扱われるからです。

もし、同じ手当で仕事が終わらず、家庭で過ごす時間まで大きく削られていたら、私の受け止め方も違ったと思います。

手当の金額と、実際に引き受ける仕事。その両方を考えたときに、今の私には主任として働くことに納得感があります。

手当と負担に納得できる条件を考える

「この手当では見合わない」と感じたとき、私なら、いくらなら納得できるのか、どの仕事が特に負担なのかを具体的に考えたいです。

例えば、次のような視点です。

  • どのくらいの手当なら、今の責任を引き受けたいと思えるか
  • 臨床の目標や担当業務を調整できれば、続けられるか
  • 管理業務に取り組む時間や協力体制は十分か

給与を上げることだけでなく、業務分担や時間の確保によって、納得できる条件に近づく場合もあると思います。

もちろん、希望する待遇が認められるとは限りませんし、相談しにくい職場もあります。負担が大きいなら、役職を続けるかどうかを見直すことも選択肢です。

私が大切にしたいのは、不満の中身を整理して、自分が変えられる部分を探すことです。そのうえで、今の条件で役職を担うのか、別の働き方を考えるのかを選びたいと思っています。

役職を引き受ける前に、上司の働き方と職場の体制を見ておきたい

私自身は、仕事内容や業務量をある程度把握でき、無理なく取り組める見通しがあるなら、昇進の声がかかることをチャンスとして捉えたいと思っています。

一方で、何をどこまで任されるのか分からず、負担だけが増えていくようであれば、引き受けない選択も考えます。

役職に就くかどうかを判断するために、普段から見ておきたいのが、上司の働き方と、業務について相談できる職場かどうかです。

上司が何をしていて、どのくらい仕事を抱えているかを見る

日々の臨床に追われていると、上司の仕事まで意識する余裕はないかもしれません。それでも、将来役職を担う可能性があるなら、今の役職者がどのように働いているかは判断材料になります。

例えば、次のような点です。

  • 臨床以外に、どのような仕事を担当しているか
  • 管理業務に取り組む時間を確保できているか
  • 残業や、一人で仕事を抱える状況が続いていないか
  • 忙しいときに、周囲と業務を調整できているか

外から見ただけですべては分かりませんが、「自分が同じ立場になったら続けられそうか」と考える手がかりにはなると思います。

負担が増えたときに、意見を伝えられる環境かを考える

引き受ける前に、すべての業務量を把握することは難しいと思います。だからこそ、実際に負担が増えたとき、相談できるかどうかも大切です。

仕事が多いと伝えたときに、分担や予定を一緒に考えてもらえるのか。現場の意見が、日々の業務調整に反映されているのか。普段のやり取りから感じ取れることもあります。

その際は、「話しやすい上司だから大丈夫」という印象に加えて、実際に相談を受けて業務が調整された場面があるかまで見ておきたいです。

私なら、昇進の話があったときに、担当業務、臨床の目標、管理業務の時間、困ったときの相談先を確認します。

そのうえで、自分にとって収入や経験を増やす機会になると感じられれば、前向きに考えたいです。仕事内容や支援体制が不透明なままであれば、条件を確認するまで返事を保留することや、今回は引き受けないことも選択肢だと思います。

まとめ|役職を引き受けるなら、手当と仕事を支える体制を確認したい

理学療法士の役職者には、臨床に加えて教育や管理、他部署との調整などの仕事があります。

私自身は、主任として責任を感じる場面はあるものの、今の職場では過度な負担とは感じていません。管理業務の時間を確保でき、周囲の協力を得ながら仕事を進められることが、その理由です。

私の勤務先の主任手当は月約1万5,000円、年間約18万円です。現在の業務量と支援体制であれば、私にとっては収入を増やせる貴重な機会になっています。

役職を引き受けるか迷ったときには、次の点を確認してみてください。

  • 任される仕事内容と責任の範囲
  • 臨床の目標と、管理業務に使える時間
  • 忙しいときの協力体制や相談のしやすさ
  • 役職手当と時間外勤務の扱い

普段の上司の働き方も、自分が役職に就いたときの判断材料になります。分からないことは確認し、無理なく取り組める見通しがあれば、昇進をチャンスとして捉えてよいと思います。

一方で、仕事内容が不透明なまま負担が増えそうなら、返事を保留したり、引き受けないことを考えたりする選択もあります。

大切なのは、自分が納得して続けられる条件かどうかです。まずは身近な役職者の働き方を見ながら、自分なら何を確認したいか整理してみてください。

私が転職し、その後の昇給や役職への登用を経て年収が変わった経緯は、こちらの記事にまとめています。収入と働き方を考える際の一例として、参考にしてください。

参考資料

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