理学療法士の平均年収は?年代別の目安と今の給与を比較するポイント

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理学療法士が下肢のストレッチをしている写真
Male Therapist's Hand Stretching Female Patient's Leg In Clinic

「自分の年収は、同年代の理学療法士と比べて低いのだろうか」
「このまま今の職場で働き続けて、給与は上がっていくのだろうか」

給与明細や毎年の昇給額を見て、そんな疑問を感じたことはありませんか。

平均年収は、今の給与を考えるうえで一つの目安になります。ただし、平均より高いか低いかだけで、待遇のよしあしは判断できません。年齢や経験年数に加え、賞与・手当、残業時間など、比較する条件をそろえることが大切です。

私自身も、給与と業務負担の釣り合いに悩み、約10年間勤めた病院から転職しました。その経験から、年収の金額とあわせて、昇給の見通しや働き方も確認しておきたいと感じています。

この記事では、公的統計をもとに理学療法士の平均年収と年代別の目安を整理し、今の給与と比較するときのポイントを紹介します。給与に不満がある方も、まずは現状を整理するところから始めてみましょう。

PT・OT・ST WORKER PT・OT・ST WORKER

理学療法士の平均年収はどのくらい?

公的統計で見る平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査に基づく年収は443.6万円とされています。掲載されている平均年齢は36.2歳です。

ただし、この数値は理学療法士だけを集計したものではありません。作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士を含む職種区分のデータです。理学療法士の給与水準を考える参考として見ておきましょう。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag|理学療法士」(令和7年賃金構造基本統計調査に基づく掲載値)

平均年収を見る前に知っておきたい集計対象と注意点

平均年収と自分の給与を比べるときは、まず次の3点を押さえておきましょう。

  • 手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の額面で比べる
  • 月給だけでなく、賞与や残業代も含めて考える
  • 年齢や経験年数、勤務先などが異なる人を含んだ平均であることを理解する

例えば、働き始めて間もない人と、役職手当がつく中堅・管理職では、給与の条件が違います。全国平均を下回っているという理由だけで、今の職場の給与が低すぎるとは判断できません。

反対に、平均を上回っていても、長時間の残業によって年収が増えている場合は、基本給や賞与と分けて見る必要があります。

まずは全体の目安を知り、そのうえで同年代の年収や自分の勤務条件と照らし合わせていきましょう。

理学療法士の年代別年収の目安

年代別の年収を表で比較

厚生労働省「令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査」をもとに、年代別の年収の目安をまとめました。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士を含む、男女計・一般労働者・企業規模10人以上のデータです。

年齢年収の目安
20~24歳約337.5万円
25~29歳約397.8万円
30~34歳約431.5万円
35~39歳約457.1万円
40~44歳約482.1万円
45~49歳約519.7万円
50~54歳約548.8万円
55~59歳約525.2万円
60~64歳約592.6万円
65~69歳約335.9万円
70歳以上約378.5万円

※年収の目安は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で算出し、万円単位で小数第1位に丸めています。税金や社会保険料が引かれる前の額で、残業代なども含みます。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種 第5表(e-Stat)をもとに筆者作成。

この集計では、20代前半から50代前半にかけて、年齢階級が高いほど年収も高くなっています。ただし、すべての年代で一貫して増えているわけではありません。

自分と同じ年代の金額を目安にしながら、経験年数や役職、残業時間などの条件もあわせて確認してみてください。

年齢別の平均額は、将来の昇給を保証するものではない

この表は、調査時点の各年代の人を比較したものです。同じ人の給与が、年齢とともにどう変わったかを追跡したデータではありません。

例えば、現在30歳の人が働き続ければ、50代で必ず年収500万円を超えるという意味ではありません。勤務先の給与制度や昇給、役職の有無などによって、その後の年収は変わります。

また、年代によって集計対象の人数や勤務先などの構成も異なります。特に高年齢層の数値を、そのまま自分の将来の年収として当てはめることは避けましょう。

今後の給与を考えるときは、年代別の平均に加えて、今の職場で毎年どのくらい昇給しているか、役職につくと待遇がどう変わるかを確認する方が、具体的な見通しを立てやすくなります。

今の給与と平均年収を比較するときのポイント

手取りではなく、賞与を含めた額面年収で比べる

平均年収と比べるときは、給与の振込額ではなく、税金や社会保険料が引かれる前の額で確認しましょう。

手元の給与明細と賞与明細を使い、1年分の支給額を整理すると、月給だけでは分からない違いが見えてきます。

例えば、次のようなケースです。金額は比較のための仮の例です。

条件職場A職場B
月額給与28万円30万円
年間賞与80万円40万円
年収416万円400万円

※月額給与は毎月同額とし、「月額給与×12か月+年間賞与」で計算しています。

この場合、月額給与は職場Bの方が高くても、賞与を含めると職場Aの年収が上回ります。

月給の高さだけで判断せず、年間でいくら受け取っているかを見ることが大切です。

さらに、基本給・各種手当・残業代を分けておくと、何によって年収が増えているのかも把握できます。

経験年数・地域・勤務先・役職の違いを確認する

同じ年代でも、理学療法士として働いてきた年数や、任されている役割は人によって違います。

例えば、30歳で経験8年の人と、別の仕事を経て理学療法士になった経験2年の人では、給与を比べる前提が異なります。

平均年収との差が気になったときは、次の条件も確認してみてください。

  • 理学療法士としての経験年数と、現在の職場での勤続年数
  • 勤務する地域
  • 病院・クリニック・介護施設など、勤務先の種類
  • 常勤・短時間勤務などの働き方
  • 役職の有無と、役職手当に含まれる業務や責任

役職手当がつけば、その分だけ年収は増えます。ただし、教育や管理業務など、担当する仕事も変わることがあります。

金額の差だけでなく、どのような条件や役割に対して支払われている給与なのかまで見ると、自分の待遇を考えやすくなります。

残業時間や休日数もあわせて考える

年収が高くても、残業や出勤日数が多ければ、その分だけ働く時間も長くなります。

そのため、給与と一緒に次の項目を書き出してみましょう。

  • 月平均の残業時間
  • 残業代が支払われているか
  • 年間休日数
  • 有給休暇の取りやすさ
  • 記録・委員会・教育などを含めた業務負担

私自身、転職活動中に年収500万円・年間休日105日という求人を断ったことがあります。当時の職場より出勤日数が増え、家族と過ごす時間が減ることが気になったためです。

同じ年収でも、働く時間や家庭への影響によって、納得できる条件は変わります。

平均年収は給与水準を知るための目安として使い、その給与で、どのくらいの時間と負担をかけて働いているかもあわせて考えてみてください。

今の給与に不満があるときに確認したいこと

現職の昇給実績と手当を確認する

今の給与に不満があるときは、まず現職でどのくらい収入が増える可能性があるのかを確認しましょう。

給与明細や職場の給与規程を見ながら、次の点を整理してみてください。

  • 過去数年で基本給がいくら上がったか
  • 賞与の支給額がどのように変わっているか
  • 役職や資格に対して手当がつくか
  • 昇給や昇格が、どのような基準で決まるか

例えば、月額の基本給が毎年1,000円ずつ上がる場合、5回の昇給後には月額5,000円の増加となります。その時点での年収への影響は、賞与などを除くと年間6万円です。

これは同じ昇給が続くと仮定した例ですが、「毎年昇給がある」という説明だけよりも、具体的な金額にすると見通しを立てやすくなります。

また、資格取得や役職への昇格を考える場合は、増える給与とあわせて、必要な費用・時間・業務負担も確認しておきましょう。

今の職場で期待できる変化を把握することが、働き続けるかを考える材料になります。

地域の求人と今の待遇を比較する

現職の給与制度を確認したら、通勤できる範囲の求人も見てみましょう。

全国平均との比較に加えて、自分が実際に働ける地域の条件を知ることで、選択肢が具体的になります。

ただし、求人に書かれた給与の上限額が、そのまま自分に提示されるとは限りません。次の内容まで確認すると、今の待遇と比べやすくなります。

  • 自分の経験年数で想定される基本給
  • 給与に含まれる手当と、その支給条件
  • 固定残業代の有無と、含まれる時間数・金額
  • 賞与の算定基準と支給実績
  • 入職初年度の賞与の扱い
  • 年間休日や勤務時間

特に、賞与込みの想定年収を見るときは、初年度からその金額になるのか、1年間勤務した場合の目安なのかを確認しておきたいところです。

求人を見る段階で、転職を決める必要はありません。比較した結果、今の職場の待遇や休みやすさに納得できることもあります。

転職するかは、給与と働き方の両方で判断する

比較した結果、現職では希望する給与に近づく見通しが立たず、ほかの職場に条件の合う求人があれば、転職を選択肢として考えてみてもよいと思います。

そのときは、給与以外に守りたい条件も決めておきましょう。

例えば、「残業を減らしたい」「家族の予定に合わせて休みたい」「経験を活かせる分野で働きたい」といった希望です。

私自身も、転職では収入だけでなく、仕事の負担や家庭との両立を重視しました。年収や働き方が変わった経緯は、年収400万円から500万円へ、ホワイト病院に転職した体験談にまとめています。

もちろん、転職すれば必ず給与や働き方が改善するわけではありません。求人票で分からないことは、見学や面接、必要に応じて転職エージェントを通じて確認することが大切です。

平均年収との差をきっかけに、現職とほかの職場を比較する。そのうえで、自分が納得して働き続けられる条件かどうかを判断してみてください。

まとめ|平均年収を目安に、今の待遇を整理しよう

理学療法士の平均年収や年代別のデータは、今の給与を考えるための目安になります。ただし、今回の統計は作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士も含む集計であり、自分の待遇や将来の昇給をそのまま表すものではありません。

比較するときは、次の3点を押さえておきましょう。

  • 手取りや月給だけでなく、賞与を含む額面年収で比べる
  • 経験年数・地域・役職など、給与に関わる条件を確認する
  • 残業時間や休日数を含め、働く時間と負担も考える

給与に不満がある場合も、まずは現職の昇給実績や手当を確認し、通勤できる範囲の求人と比べてみてください。

比較することで、今の職場で働き続けるよさが見えることもあれば、ほかの職場を検討するきっかけになることもあります。

まずは直近1年の年収・昇給額・残業時間・休日数を書き出し、今後どの条件を改善したいのか整理してみましょう。

転職も選択肢として考えたい方は、理学療法士の転職完全ガイド|進め方・年収・転職サイトの選び方をご覧ください。希望条件の整理から、求人探し・見学・面接までの流れをまとめています。

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